今日の一枚は
Bill Evans / You Must Believe In Spring
このところエバンスのアルバムを良く聞いています。十年前にはほとんど聞くことがなく、むしろ好きではなかったのですがこの枯れた繊細なタッチがようやくわかるようになったのかもしれませんが。エバンス後期のこのアルバムはベースのエディゴメスのベースの音が問題で僕のステレオではなかなか綺麗に出てくれませんでした。特にM6のゴメスのソロあたりはいろいろセッティングしてやっとなんとかなりましたが難しいアルバムです。M1: B Minor WaltzからM7: Theme from MASHまであまりに耽美的過ぎて姿勢を正して拝聴させていただかねばという気になります。
しかし麻薬漬けになりながらもこんなに美しいピアノが弾けるのはなぜでしょうか、からだの毛細血管までクスリが浸透していきやがて全身の機能を破壊するとわかっているはずなのに。
長い時間をかけた自殺とよく言われますが生涯笑うことはあったのでしょうか。
もうすぐ2020年も終わります。世界の終わりの様相を呈した今年でしたが、来年はやってきます、春はやってくるのですよ。こんな絶望の淵に立った男でもこう言っているのですから。
You Must Believe in Spring